アメリカは世界で最も多くのITサービスとユーザーを抱える国であり、同時に消費者の数も多いのが特徴です。

日本製の商品や、日本の小売業に対する関心度も高く、越境ECを通じて売買取引が盛んに行われている国でもあります。

今回は、そんなアメリカにおけるリスティング広告運用について、知っておきたいポイントをご紹介します。

アメリカのEC事情について

アメリカは、世界で最もEC消費の多い国の一つでもあり、次々とオンラインサービスが誕生している地域でもあります。

アメリカにおけるEC市場規模は、2019年時点で6,016.5億USドル、日本円にして68兆円に近い市場を形成しています。日本のEC市場が10兆515億円とされているため、実に6倍以上のマーケットがアメリカにあると言えます。

参考：経済産業省「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業」
https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722003/20200722003-1.pdf

そして、越境ECにおける取引もアメリカは大きな規模を有しています。日本とアメリカの取引額は、アメリカから日本への輸入が2,863億円、そして日本からアメリカへの輸出が9,034億円と、大きな貿易黒字となっています。

日本は消費に消極的な国とされていますが、アメリカは正反対で、積極的な消費が日常的に行われています。

今後さらに多くの日本企業がアメリカ向けの越境ECに進出することで、この数字はますます大きくなるでしょう。

アメリカでリスティング広告を実施するメリット

次に、アメリカに向けてリスティング広告を実施することで、どのようなメリットが得られるのかについて見ていきましょう。

アメリカの巨大市場へ容易にリーチできる

リスティング広告をアメリカに配信することで、簡単に日本よりも大きなマーケットへ進出できるようになります。

アメリカは新興国とは異なり、流通網が非常に発達しているだけでなく、日本との交流も活発なので、安定した供給が可能です。日本からでも利用できるECサービスも充実しており、買い手さえ見つかれば、すぐにでもビジネスを展開可能です。

リスティング広告は、ユーザーの検索キーワードに合わせて広告を表示できる仕組みを備えているので、ニーズに対して迅速に訴求力を発揮できます。

広告を利用しないアメリカ進出では、まず現地向けにSEO対策を徹底するところから始めなければならず、長期的な取り組みが求められます。

一方リスティング広告の場合、SEO対策を行わずとも、ユーザーのキーワードにヒットすれば、最上位にサイトを表示させることができます。短期間で成果を出す上では、非常に重要な施策です。

競合と差別化できる

アメリカへの輸出額がECだけで9,000億円を超えていることからも分かるように、アメリカへの進出を果たしている日本企業は少なくありません。

すでに多くの企業が販路を拡大しているため、ただアメリカ向けにチャンネルを開くだけででは売り上げの成長は期待できません。

そこでリスティング広告の活用です。リスティングを利用することで、特定のニーズに合わせたキーワードにヒットするよう設定し、自社の強みを的確にアピールすることができます。

がむしゃらにキーワードを設定するのではなく、自社の強みが最も引き立つアプローチを検討することで、他社との差別化を実現可能です。

英語で運用ができる

アメリカでリスティング広告を運用する場合、英語で配信できるのも強みです。日本では日本語しか話せないという人が大多数を占めますが、英語に関しては外国語の中でも比較的親しみがあり、読み書きはできるという人も少なくありません。

そのため、比較的英語を扱える人材は見つけやすいので、中国語やベトナム語で現地向けに広告を運用するよりも難易度は下がります。

また、英語はアメリカ以外にもイギリスや香港など、他の国々でも通用する言語ですし、国際語として汎用性が高いのが特徴です。

英語でリスティング広告を配信するノウハウが蓄積すれば、その後の海外進出においても有利に進められるでしょう。

アメリカのリスティング広告運用はGoogleが最適な理由

そんなアメリカにおけるリスティング広告の運用においては、世界最大の検索エンジンであるGoogleが提供する、Google広告がベストです。

Google広告がなぜアメリカでの運用に最適なのかについて、確認しましょう。

アメリカでトップシェアの検索エンジンであるため

アメリカでのリスティング広告にGoogleが最適な理由としては、現地における圧倒的なシェアが挙げられます。

Googleはアメリカで誕生した検索エンジンということもあり、母国におけるシェアは絶大です。その割合は9割近い数字に達しており、他のエンジンの追随を許さない絶対性を備えています。

参考：statcounter “Search Engine Market Share United States Of America”
https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/united-states-of-america

そのため、初めてのアメリカにおけるリスティング広告では、Googleを利用しない手はないと言えるでしょう。

運用手順は日本と大きく変わらないため

Googleのリスティング広告は、基本的にどの地域においても同じ使い方ができるという点もメリットです。

日本ですでにGoogleのリスティング広告を利用したことがある場合、アメリカへの配信は地域設定を変更するだけで実現できます。

そのため、日本と同じノウハウや手続きがアメリカへの配信でも応用できるため、スムーズに広告配信を行うことができます。

初めてのリスティング広告利用であっても、日本語のマニュアルが充実しているため、手続きが失敗してしまう心配もありません。

アメリカでリスティング広告を運用する際のポイント

実際にアメリカでリスティング広告を運用する場合、いくつかのポイントに注目する必要があるでしょう。

現地のユーザーニーズを調査する

一つ目のポイントは、現地ユーザーの欲しいものを理解することです。リスティング広告を有効活用するためには、現地における需要と供給、そして競合となりうる会社の存在など、様々な要素をリサーチしなければなりません。

その地域ではどんな品が豊富に揃っており、何が不足しているのか。自社の強みは、どのように売り込めば発揮できるのかなど、検討事項は多様です。

予めデスクリサーチや現地での聞き込み調査、ユーザーインタビューなどを通して、自社のアプローチの方法を探っておく必要があります。

現地の広告事情に詳しいネイティブ人材を確保する

アメリカへの広告配信は英語で行えますが、アメリカの事情に詳しいネイティブ人材がいると、さらに正確なマーケティングを行えます。

アメリカ特有の言い回しや、リアルタイムでのトレンドの把握などにおいては、やはり現地の感覚が求められたり、専門官の意見が欲しくなったりするものです。

こういった課題を解消する上でも、予めネイティブ人材を確保しておくことで、より効果的な広告を考えたり、戦略の検討にも活躍してもらえます。

アメリカでリスティング広告と合わせて活用したい手法

アメリカでリスティング広告を展開する際、別のプロモーション施策と合わせて運用することで、相乗効果が期待できます。最後にリスティング広告と相性の良い手法について、ご紹介します。

動画広告

一つ目は、動画広告です。近年はYoutubeをはじめとする動画プラットフォームの活躍が著しく、アメリカにおいても多くの視聴者を獲得しています。

リスティング広告は基本的にテキストが主体となる広告ですが、動画広告では静止画や映像を活用できるため、リスティングでは伝えきれない情報が提供できます。

商品やサービスを視覚的、あるいはダイナミックに紹介したい場合、この広告手法は非常に有効です。

また、InstagramやTikTokなど、動画や画像を使ったコミュニケーションもこれらのプラットフォームを使って活発に行われています。

映像コンテンツを制作できる体制を整えておけば、今後さらなるプロモーション戦略の多様化にも発展できるため、環境を整備しておいて損はないでしょう。

SNS運用

二つ目は、SNSの運用です。上述でも少し触れましたが、SNSはアメリカ人が好んで使うWebサービスでもあるため、リスティングと合わせて運用したいツールです。

SNSを使ったユーザーとのコミュニケーション度信頼関係を構築するのも良いですが、SNS広告の力も侮れません。FacebookやTwitterなど、SNSではプロモーション枠が多様に用意されているため、これらに広告を配信するのは有効です。

また、アメリカではFacebookのメッセンジャー機能のように、日常的に使用するSNSも豊富です。毎日利用するツールへ広告を配信すれば、自然と影響力も高まっていくでしょう。

おわりに

今回は、アメリカにおけるリスティング広告の運用方法について、様々なポイントや有効活用の方法についてご紹介しました。

アメリカは多くのWebサービスが誕生した国であるため、膨大なユーザーを抱えているIT大国でもあります。インターネット慣れした彼らの趣味や動向を分析することで、より効果的なプロモーション施策の検討にも発展できます。

アメリカ向けのリスティング運用を成功させ、さらなるビジネスの拡大を目指しましょう。