現在世界には数多くのSNSが存在し、複数のSNSを用途ごとに使い分け利用している人が多くいます。

そして個人のプライベート利用だけでなく、マーケティングにSNSを活用する企業が日本でも増えています。

その中でも今回は、インバウンド集客や海外での自社製品PRに取り組む際、SNSを運用する方法やそのメリットについてご説明します。

海外向けSNSマーケティングとは

海外向けSNSマーケティングとは、世界中にユーザーを保持するSNSを用いて国外ユーザー向けにマーケティングを行う手法のことです。

近年海外各国に拠点を構えてビジネスを展開している日本企業が増えています。

世界に目を向けると欧米諸国やアジア諸国など、市場規模の大きさは日本と比較すると段違いです。

そのため、多くの日本企業はより大きな成長を求め、海外進出していると言えるでしょう。

では次に、具体的な運用目的やメリットについてご紹介していきます。

海外ユーザー向けのSNS運用

FacebookやInstagram、Twitterなど日本だけでなく世界中で人気なSNSがいくつかあります。

また、全世界のユーザー数は少なくとも、ある国で凄い人気を誇るSNSというものもあります。

つまり国や年齢、職業によって利用されるSNSは異なるため、海外向けマーケティングを行う場合は各SNSの特徴によってマーケティングに最適なツールを使い分ける必要があります。

さらには、国によって人気なSNSだけでなく、好まれるコンテンツなど現地の事情も異なるため、それらを把握し正しいマーケティング戦略を練らなければなりません。

海外向けSNS運用の目的

SNS運用の目的は、国内のみならず国外に向けて商品の認知や販売を促進し、ブランド力の向上を行うことです。

SNSでは実際に現地に行かなくとも企業が消費者を直接繋がり、コミュニケーションを取ることができます。

そのため、海外向けマーケティングでもユーザーの反応を把握しやすく、効率的にターゲティングしたユーザー層へアプローチすることができます。

つまり海外向けSNSマーケティングは、既存顧客以外の幅広い層にリーチし、ブランディングを確立することを目的としています。

海外向けSNSマーケティングのメリット

続いて海外向けSNSマーケティングのメリットについてご紹介します。

SNSマーケティングを行うことによる効果はいくつかありますが、実際にどんなメリットがあるのか早速見ていきましょう。

手軽に海外へアプローチができる

一つ目に、手軽さです。

SNSマーケティングでは、日本国内に居ながら海外に向けてブランディングすることができます。

実際に現地に行かなくとも、海外ユーザーに自社サービスを知ってもらえることは大きなメリットでしょう。

ブランド認知を高められる

二つ目に、ブランド認知を高められるという点です。

ほとんどのSNSにはシェア機能が備わっているため、例えば企業アカウントの投稿をフォロワーにシェアしてもらうことによって、そのフォロワーにも投稿を見てもらい、自社商品やサービスを知ってもらうことができます。

このシステムを利用し、具体的には「フォロー＆リツイートキャンペーン」を行う企業も多いです。

このようにSNSは、情報の拡散性が高いため効果的に認知度を高めていくことが可能となります。

また、SNSマーケティングでは単純に認知を高めるだけでなく、企業やサービスのイメージ・世界観を分かりやすく伝えることができます。

SNSではテキストだけでなく写真や動画など様々なPR方法があるため、効果的に使い分けることで企業や商品のブランドに対するファンを増やしていくことができます。

ユーザーとの交流でロイヤリティを高められる

三つ目にロイヤリティの向上です。

ここでお伝えするロイヤリティとは、ブランドロイヤリティ・顧客ロイヤリティと呼ばれる、顧客に自社そのものやサービスに対し好意や信頼感を持ってもらうことを指します。

SNSの大きな特徴の一つに、ユーザーと直接コミュニケーションを取れるという点がありますが、やはりコミュニケーションが生まれることで、自然とユーザーは企業に信頼感を抱くようになります。

具体的な方法としては、例えば自社のサービスや商品についての投稿に対し、「いいね」やコメントをするといったものが挙げられます。

ここで重要なのは、SNSマーケティングでは企業側がとにかく発信するだけでなく、一人一人のユーザーと向き合い信頼関係を築いていくということです。

ターゲット地域の消費者理解を深められる

四つ目に、ターゲット地域の消費者理解を深められるという点です。

異なる地域に住む人々の興味・関心の違いなど、日本とはあらゆる者が異なり、またそれらが見えないため分かりにくいというのが、海外マーケティングの難しさではないでしょうか？

SNSマーケティングを行う際も、最初はそのような難しさを感じるかと思います。

しかし、コンテンツを発信し続けることで少しずつ海外フォロワーを増やし、接点を増やしていくことで、ターゲット地域のユーザー属性や興味・関心を調査していくことが可能になります。

具体的にはユーザーがどんな投稿に反応しているのか、どんなジャンルのアカウントをフォローしているのか、などによって把握できます。

また、商品・サービス情報だけでなく写真や動画など魅力的なコンテンツを発信することで、海外ユーザーにとってもブランドイメージが捉えやすくなるでしょう。

海外SNSマーケティングの種類

続いて海外SNSマーケティングの種類についてご説明します。

SNSマーケティングには大きく分けて、アカウント運用と広告配信の2種類があります。

アカウント運用

まず始めに、アカウント運用です。

こちらは企業の公式アカウントを設立、運用することで自社ブランドに関する情報発信を行うというものです。

アカウントを積極的に運用していくことで、主に二つの効果があります。

まず一つ目は、ユーザーとの接点を増やすことで信頼関係を構築させ、結果的にファンの獲得につながるという点です。

二つ目は、様々なコンテンツを発信することでブランドのイメージや世界観をユーザーに訴求し、企業のブランディングを行えるという点です。

他にも、自社製品・サービスに興味を持ってくれたユーザーを公式サイトやECサイトに誘導することも可能なため、認知・ブランディング以外に集客にも繋がっていきます。

さらには、SNSは現代社会で多くの人にとって身近な存在であり、何かを調べる際も検索エンジンではなくSNSから調べるという人も増えています。

そのSNSの身近さ・親やすさから、以前から運用している企業の公式HPではなくSNSの公式アカウントにお問い合わせやユーザーからのコメントが寄せられるということも多くあります。

それほどSNSは新規顧客を獲得できるツールであり、今までは実現されなかったお客様との距離感の近いコミュニケーションが可能となるのです。

SNS広告

次に、SNS広告です。

各SNSプラットフォームには、それぞれのSNS独自の広告配信サービスが備わっています。

かかるコストや形式、各種設定機能はSNSのプラットフォームごとに異なりますが、通常の広告と比べいくつか特徴があります。

まず一つ目に、画像や動画を用いた訴求力の高い広告を配信することができるため、広告を見ている人の興味関心を高めやすくなります。

またターゲットが海外ユーザーとなると、テキスト広告ではなく動画や画像の方がより理解されやすいでしょう。

二つ目に、SNS広告ではユーザーの年齢・性別・職業など詳細なターゲティングを設定することができるため、目的とするターゲットへ効率的に情報発信することができます。

また配信期間や位置、形式などを柔軟に設定することができるため、目的に合わせて効果的な設定で広告配信をすることができます。

海外で人気のSNS

次に、今海外で人気のSNSについて3つご紹介します。

Instagram

Instagramは海外だけでなく日本国内でも人気の高いSNSの一つです。

写真や動画の投稿をメインとしているサービスで、ユーザーはオシャレな写真を撮影して投稿したり、あるいは気になるお店やスポットを探したりなどに活用しています。

また写真や動画コンテンツにより非常にブランドの個性が表しやすいため、個人の利用だけでなく企業がプロモーションする際にも活用されています。

TikTok

続いてTikTokとは、モバイル向けのショートムービープラットフォームです。

TikTokは、フォロワー0人でも一定数のユーザーには観られるという独自のアルゴリズムを採用しています。

そのため、ムービー投稿を始めたばかりのユーザーでもバズるという現象が起こりうるのがTikTokの特徴です。

WeChat

最後に、WeChatについてご紹介します。

こちらは中国テンセント社が運営するチャットアプリです。

日本ではあまり馴染みのないSNSかもしれませんが、中国ではスマートフォンユーザーなら誰もが利用していると言っても過言ではないほど、中国人の生活に必要不可欠なアプリケーションなのです。

WeChatではメッセージ機能だけでなく、決済機能サービスなども備わっています。

海外でのSNS運用成功事例

資生堂

化粧品でお馴染みの資生堂は、日本と国内では発信の仕方に大きなギャップが見られる企業です。

日本向けのCMやプロモーションでは、どちらかというと文字情報を基調とした発信がメインですが、海外向けインスタグラム運用においては、ビジュアルの印象を重視したアピールに徹しています。

統一感のある画像や動画の使い方から、明確なブランドイメージを意識していることがわかります。

URL：https://www.instagram.com/shiseido/

Tokyo Otaku Mode

こちらはFacebook発のコミュニティサイトとして発足したのち、海外の日本アニメファンなどに情報を発信するメディアとして定着したアカウントです。

2000万を超えるユーザーからのフォローを得たのち、ECサービスやアンバサダーとしても活躍しており、日本のオタク文化を発信する重要な担い手として活躍しています。

英語での情報発信はもちろんのこと、トレンドを抑えたこまめな更新を何年も続けていることが人気の秘訣です。

URL：https://www.facebook.com/tokyootakumode/

おわりに

今回は海外向けSNSマーケティングに関して、実際の運用方法やメリットについて解説しました。

依然として海外マーケティングには難しさもありますが、SNSを活用することで大幅に海外ユーザーとの接点は作りやすくなったかと思います。

これから海外進出を考えている企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。