香港リスティング運用方法|運用のポイントをご紹介
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リード:香港は中国本土とは異なり、比較的インターネットの利用環境が日本と近いということで、リスティング広告が運用しやすい地域でもあります。
とは言え、日本とは異なるノウハウが求められるため、リスティング広告を香港で配信する前には事前調査が必要です。
今回は、香港でリスティング広告を運用する際、気をつけておくべき運用のポイントをご紹介します。
香港でリスティング広告を実施するメリット
まずは、香港でリスティング広告を実施するメリットについて、どのような点があるのかを確認しましょう。
運用ハードルが比較的低い
香港でリスティング広告を運用するメリットの一つに、運用ハードルの低さが挙げられます。
リスティング広告は、検索エンジンが用意している広告枠を利用するプロモーション方法で、ユーザーの検索したキーワードに連動して広告が表示されます。
こちらからキーワードを設定し、配信設定を行うだけで集客が得られるため、他の広告手法よりもシンプルに利用できるのが特徴です。
今ひとつクリックが得られない場合には、キーワードやユーザー設定を変えるなどしながら様子を見られるため、試験的に運用する負担が小さいのも特徴です。
また、リスティング広告は広告がクリックされてはじめて報酬が得られるタイプのプロモーション施策なので、クリックされなければ費用が発生しないという利点があります。
そのため、安定した集客が得られるまでは無駄に費用を払い続けることもないので、やはり安心して利用可能です。
あまりプロモーションについて明るくないという方でも、お金を無駄にすることなく試行錯誤できる強みが活かせます。
香港に特化した集客が実現できる
リスティング広告の優れたところは、特定の地域に絞って広告を配信できる点です。
リスティング広告において、最もポピュラーなサービスを提供しているのが、Google広告です。Googleは世界中で利用されている検索エンジンで、そのシェアは9割を超えるとされています。
そんなサービス上で利用できるリスティング広告は、幅広いユーザーニーズに応えるべく、配信地域設定を詳細に行えるのも強みです。
日本に配信したければ日本のみ、香港であれば香港のみ、といった形で設定できるので、香港以外のユーザーに広告が配信されてしまう心配はありません。
クリック課金型のリスティング広告では、見込んでいるユーザー以外の人物によるクリックは、無駄な広告費用となってしまいます。香港ユーザーに配信地域を限定できるので、こういった見込み客以外のアクセスを制限することも可能です。
香港進出の足がかりを得られる
海外進出の必要性は年々高まっており、日本の消費の減退や、苛烈になる価格競争の煽りを受け、多くの日本企業は衰退の一途を辿っています。
一方海外を見渡してみると、中国や香港、そして東南アジアなど、日本の近隣諸国ではこれまでにない経済成長を遂げています。
現地の企業は大いに成長し、消費意欲も高まっているため、大きな需要がそこに存在します。リスティング広告を使うことで、こういった国々の潜在ニーズに対して、効率よくアプローチできます。
従来では直接現地の法人に商品を卸したり、店を構えたりしてアピールしなければなりませんでしたが、リスティング広告を使って反応を確認しながら、香港への進出を徐々に進められます。
香港と中国本土のリスティング広告事情の違いとは
このように、香港におけるリスティング広告の出稿は、多くのメリットが期待できます。一方、中国では香港とは異なる施策が求められることもあり、その違いを理解しておく必要があります。
香港と中国ではリスティング広告の運用について、どのような違いがあるのかを確認しておきましょう。
Googleの運用可否について
まず、リスティング運用には欠かせないGoogleについてですが、香港と中国では大きな違いがあります。
香港においては、GoogleはGoogle広告も含め、日本やその他の地域と同様に扱うことができます。
そのため、既存のGoogleアカウントを使いながら、香港におけるリスティング運用を実現可能です。
一方の中国ですが、こちらではGoogleの利用ができません。中国では中国当局がグレートファイアウォールと呼ばれるインターネット検閲システムが存在するため、中国国外のWebサービスなどは一切アクセスができないようになっています。
こういった理由から、中国でリスティング広告を展開するためには、Baiduなどの中国発の検索プラットフォームを利用することが不可欠です。
香港と中国の両方にリスティング広告を配信したい場合、GoogleとBaiduの両方を扱う必要があることに気を付けておきましょう。
言語の違いについて
香港と中国では、話されている言語も微妙に異なります。香港は中国の一部ですが、中国本土よりも英語を話す・話せる人が多く、西洋的な文化の強い地域です。中国語も広東語と呼ばれる方言を使用しており、これはマカオでも用いられている言語です。
一方の中国本土ですが、こちらでは公用語が北京語と呼ばれる言葉を扱います。別名で標準語と呼ばれていることからも分かるように、北京語はもっともスタンダードな中国語で、表記や表現において広東語と異なる点が見られます。
このような文化的な違いから、中国本土と香港では異なる言語でのリスティング運用が求められます。
香港でリスティング広告を運用する際のポイント
こういった中国本土との違いを踏まえ、香港でリスティング広告を運用する際のポイントについて、確認しておきましょう。
香港では英語が利用可能
まず、香港では英語が利用可能なため、場合によっては英語の情報発信も有効です。
香港は90年代までイギリスの植民地であったため、英語を話す人間は中国や日本よりも圧倒的に多く、英語話者が多数を占めていた、という時代もあったほどでした。
しかし近年は広東語を話す人も増えたため、常用語としては英語と中国語の両方が用いられています。2012年にようやく英語話者の数を中国語話者が上回った、というほどの浸透率なので、英語での広告も十分に有効です。
参考:日本経済新聞「香港、中国標準語の利用者が初めて英語上回る」
https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2206E_S2A220C1FF2000/
優れたローカライズ担当者を配置する
二つ目のポイントは、ローカライズ担当者を配置し、丁寧な広告配信を心がけることです。
日本語から英語や中国語といった現地の言葉に変換するのは、近年だと機械翻訳などを使っても可能ですが、必ずしも広告として適切な翻訳が成立するかは怪しいところです。
意味が通るだけでは、リスティング広告を配信するのには不十分なため、広告として意味のある翻訳を実施できるよう、ネイティブ人材や現地に精通した人物をローカライズ担当者として配置しましょう。
Bing広告も利用する
Googleユーザーの多い香港ですが、実はYahoo!ユーザーも5%ほど存在するため、彼らに向けた広告配信も有効です。
香港のYahoo!では検索アルゴリズムにBingが使用されているため、広告として表示されるコンテンツもBIng経由で配信されます。
Bingのリスティング広告は、Bing Adsと呼ばれるサービスを介して実施することができます。香港のユーザーへ徹底的にアプローチしたい場合、GoogleとBingの両方でリスティングを実行しましょう。
リスティング広告と合わせて運用したい広告手法とは
リスティング広告と合わせて別の広告施策も運用することで、さらに効果を発揮することができます。注目のプロモーションを確認しましょう。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、サイト上に表示されるバナー広告などを指す総称です。
画像やGifアニメーション、テキストなど視覚的な手法を複合的に扱えるので、印象的な体験を提供したい場合に有効な施策です。
動画広告
香港では静止画だけでなく、動画広告も有効です。というの現地では中国本土とは異なり、Youtubeのような動画プラットフォームも活用できるためです。
Youtubeの動画広告は、近年のユーザー増加に伴い大きな効果を発揮しているとされる施策です。
映像で商品や企業を伝えられるので、ストーリー性のある商品や、ダイナミックな
動きがアピールにつながる場合は、こういった方法も積極的に活用しましょう。
SNS広告
香港ではTwitterやFacebookなどのSNS利用も盛んです。これらを使ったユーザーとのコミュニケーションも大切ですが、広告枠を活用することで、さらに多くのユーザーへアプローチできます。
近年では検索エンジンを使用せず、SNS内の検索機能で情報収集を完結させるという人も増えています。SNS広告はそういったユーザーに対しても訴求力を発揮できるため、見込み客を漏れなくカバーが可能です。
おわりに
今回は、香港におけるリスティング運用のポイントについてご紹介してきました。
香港における広告配信は、中国本土よりもハードルが低く、取り組みやすい施策となっているため、既に日本で運用経験がある場合はそのノウハウも活かせます。
コストパフォーマンスに優れ、高い集客効果も見込めるので、香港進出を検討する際にはぜひ活用することをお勧めします。