グローバル向けリスティング広告運用のメリットと活用のポイントとは?

日本国内のみではなく、アジア圏、ヨーロッパ圏など各国に向けたグローバルなリスティング広告は、汎用性が高く効果的な施策として活用できます。
今回は、そうしたグローバル向けにリスティング広告を運用する際のメリットと活用のポイントについてご紹介していきます。

リスティング広告とは

リスティング広告とは、Googleをはじめとした全世界の検索エンジンにおいて、ユーザーが検索したワードと関連性の高い広告を表示されるというマーケティング方法です。

広告主はキーワードを指定して広告を出稿するため、ユーザーの検索に紐づいた提案として広告が表示されることから、潜在的にその広告に興味を持っている可能性が高いユーザーをターゲティングして広告を配信することができます。

そのため、直接的に商品やサービスの購買につながるなど、配信効果が期待できるマーケティング手法として活用されています。

グローバル向けリスティング広告運用の特徴

次にこうしたリスティング広告をグローバルに向けて配信した際の広告運用の特徴3つを見ていきましょう。

ユーザーニーズの違い、運用する際の言語、出稿プラットフォームという3つの側面から考えていきます。

ユーザーニーズは国内のそれと異なる

まず一つ目は、ユーザーニーズが国内と国外では異なるということです。

例えば、同じ商品を訴求していく場合でも、当然ユーザー側のニーズというのはそれぞれの国において異なってきます。ユーザーニーズが異なるということは、すなわちクリエイティブ作成やワードの選定など、商品の訴求の仕方自体を海外リスティング広告用にチューニングし直していく必要があるということです。

単純に日本で出稿しているキーワードとクリエイティブを機械的に翻訳したとしても、出稿先の国でのユーザーニーズと合致していなければ、せっかくの広告配信も上手く効果を得ることは出来ません。

日本語での運用は難しい

グローバル向けリスティング広告の特徴2つ目は、使用言語は広告を表示する国の言語に対応させなければならず、日本語での運用はできないということです。

一見すると、同じ商品ならテキストを翻訳するだけで問題がないようにも見えます。ですが、上述したようにユーザーニーズが異なることから、キーワードやテキスト自体もネイティブのユーザーニーズに即したものを選択し直し、不自然さのないネイティブによる完璧な翻訳を施したもので配信を行なった方が費用対効果を得られます。

プラットフォームは同じものを利用可能

ニーズが違い、キーワードなどが異なっていたとしても、広告を出稿するプラットフォームは国内向けと同じものを利用可能です。

私たちが普段利用しているGoogleは2020年9月時点で世界での利用シェア92.26%を有する最大の検索エンジンとして、日々各国で利用されています。

参考:Statcounter
https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share

そのため、広告を出稿するプラットフォームはこちらのGoogleを利用可能です。
そのほか香港や台湾などアジア圏では日本でも馴染みのあるYahoo!もプラットフォームとして利用率が高いため、活用が可能でしょう。

グローバル向けリスティング広告のメリット

こうした特徴のあるグローバル向けリスティング広告を配信するメリットは、コストパフォーマンス、新規顧客創出、ブランド認知拡大の3つがまず考えられます。メリットについてもひとつひとつ見ていきましょう。

コストパフォーマンスに優れる

一つ目は、一国にとどまらない多数の国のユーザーに向けてアプローチすることができ、コストパフォーマンスに優れている点です。

英語を使用した場合の例で考えてみましょう。グローバル化が進んだ現代ではアメリカやイギリスといった従来の英語圏以外の国々での、英語を読解できる人々が占める割合は増加の一途をたどっています。

1つの言語で多数の国の人々にアプローチできるとなると、当然コストパフォーマンスも期待ができます。

またシンガポールをはじめとした英語が公用語として用いられている国々では、経済成長も活発で人々の購買意欲も高いことから、オンラインストアの英語リスティング広告が非常に効果的で相性がいいという結果も得られています。

参考:LIFE PEPPER「英語でリスティング広告を実施する際に注意すべきポイントとは?」
https://lifepepper.co.jp/english/listing-ad#i-9

加えて、リスティング広告は、ユーザーが広告をクリックし、サイトを訪れるごとに費用を支払うクリック課金制です。そのため、費用対効果を重視する場合は、表示回数によってコストが増えていくインプレッション課金よりもお得です。

新規顧客の創出が可能になる

グローバル向けリスティング広告を配信するメリットの2つ目として、新規顧客の創出が可能になる点が挙げられます。

私たちに最も身近な日本語を例に考えてみれば分かるように、使用している人々の母数が限られている言語での広告配信は、当然広告の受け手が狭まってしまい、狭く深いアプローチとなってしまいます。

一方で、英語のような使用人口の多い言語であればあるほど、より多くの人に広告を訴求することが可能になり、幅広い国々において新規顧客の創出につながる可能性も生まれます。

海外でのブランド認知を向上できる

グローバル向けリスティング広告を配信するメリットの3つ目は海外でのブランド認知を向上できる点です。

メリットの2つ目に挙げたような顧客創出にまで結実しなかった場合でも、各国で自社ブランドの認知を拡大するきっかけとしてグローバル向けリスティング広告は機能するでしょう。

日本の商品やサービスなどに興味を持つインバウンドが多数見受けられることからも分かるように、海外における日本商品やサービスに対する興味や購買意欲は非常に高い水準を保っています。

英語を筆頭とした多言語でのリスティング広告配信は、これまで積極性を持って開拓できていなかったマーケットに向けた直接的なアプローチと言えます。

グローバル向けのリスティング広告は、マーケットの新規開拓、ひいてはそれによる競合との差別化も可能になることから、海外でのブランド認知を効率的に向上できる施策であると考えられます。

グローバル向けリスティング広告の活用ポイント

そうした多数のメリットがあるグローバル向けリスティング広告ですが、次にその活用ポイントについて見ていきます。

グローバル向けリスティング広告を配信するさいのポイントは、地域設定、ユーザーニーズの把握、ローカライズの実践、PDCAサイクルを徹底という4つが挙げられます。ひとつひとつ見ていきましょう。

広告運用地域は一つに絞る

ひとつ目のポイントは広告運用地域を一つに絞るということです。同じ言語を理解することができたとしても、地域によって当然人々の感性は異なります。

そのため、例えば多くの人に英語が通じるからといって、リスティング広告のターゲットを広げすぎるとターゲティング方法を限定できなくなり、返って逆効果になりかねません。

そのため、グローバル向けリスティング広告を配信する際の大きなポイントの一つは、運用地域を予め限定しておくことになります。

ユーザーニーズの調査を徹底する

グローバル向けリスティング広告を配信する上で配信地域を限定した後は、その地域でのユーザーニーズ調査を徹底し、アプローチ方法を定めていきます。

まずはユーザーのニーズを調査し、自社商品のどういった点がその地域では強みとして人々に映るのか、ユーザーに対する”自己分析”を進めていきます。

分析の過程においては、その地域における競合他社の動向リサーチも必要となってきます。そのため自社の優位性は、ユーザーニーズの調査と他社との比較を行いながら丁寧に設定していくことが大切です。

丁寧なローカライズを実践する

地域を限定し、ユーザーニーズ・競合の分析を行った後は、丁寧なローカライズを実践していきましょう。その地域での強みを理解するだけではなく、実際に人々が親しみを感じやすいような見せ方を考えていくことが重要です。

そうした繊細な感覚を拾い上げながら自社商品をローカライズしていく上では、例えばネイティブの人材を雇用するのも一つの効果的な方法です。

特に広告においては、どういった文言が特に消費者に対して響くのか、トライアンドエラーが必要になってくるでしょう。こうした運用の段階も見据えた場合、ネイティブな感覚を有した人材を雇用しておくのは丁寧なローカライズを実践する上で早道につながります。

PDCAサイクルを心がける

こうしてステップを踏んだ上で、いざ広告を配信した後、広告の配信効果を得るために最終的に必要になってくるのがPDCAサイクルを心がけるということです。

これについては日本において商品を訴求する際と変わりはありません。広告を配信し、効果が出たのであれば、なぜ効果的であったのか?効果が出なかったのであれば、なぜ響かなかったのか?と理由を分析していくことで、その地域での広告配信の精度が向上していきます。

ただ、ローカライズについてのステップでも記載したように、PDCAサイクルを実践する上で、ネイティブな感覚を理解しながら分析をするという場面では、日本での広告配信よりも困難が伴うかもしれません。あらゆる場面においても、ネイティブな感覚を想像しながら、その理由を検討することが重要となってくるからです。ここにおいてもネイティブな人材に分析を依頼できれば、慣習や地域性を鑑みながら理由を分析することが可能になり精度の向上が、より効率的になるでしょう。

おわりに

今回はグローバル向けリスティング広告について見てきました。リスティング広告のグローバル向け配信は、一つの言語で多数の国の人々にアプローチできることから、コストパフォーマンスに長け、新規顧客の創出に繋がります。また、広告を配信していくことで、グローバルでの自社商品の認知度向上にも繋がります。

実際配信していく場面では、配信地域を限定してニーズを分析し、自社の強みを発見していくことが重要です。

自社の強みを理解した上で、その地域に商品をローカライズさせていくことで、新規参入をしつつ人々にとって親しみやすい商品に育てることができるでしょう。

また、広告は運用して終わりではなく、絶えずその地域での広告配信について効果検証を行なっていく、いわゆるPDCAサイクルを心がけることで、精度の高い広告配信の実現に繋がります。

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