中国リスティング運用方法|運用のポイントをご紹介
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近年は多くの日本企業が中国進出に動いており、様々なアプローチで売り上げの拡大やブランド認知の向上を進めています。
中でも有効な方法として注目を集めているのが、中国向けのリスティング広告です。インターネット環境が日本とは大きく異なる中国においても、こういったWeb広告は大きな意味を持っており、目標の達成へ大いに役立ちます。
今回は、中国においてリスティングを運用する際に気をつけたい、覚えておくべきポイントをご紹介します。
リスティング広告とは
リスティング広告は、検索エンジンを介して配信される広告の一種です。通常、検索エンジンで上位表示を受けるためにはSEO対策などを行う必要がありますが、これらの施策は大いに時間を必要とします。
そこでリスティングの活用です。リスティング広告を運用すれば、検索エンジンの上位に表示されている広告枠に自社サイトなどを掲載できるため、短期間でコンバージョンを伸ばしていくことができます。
キーワードやフレーズを予め設定し、予算と地域を設定すれば、自動的に広告は配信されるという利便性も備えます。クリック単価で料金が決まるため、リスティング掲載に伴う費用負担も他の広告施策より小さく抑えられるのが強みです。
中国向けにリスティング広告を実施するメリット
中国向けにリスティング広告を配信していくことで、どのようなメリットが挙げられるでしょうか。ここでは主な利点となる3つの要素をご紹介します。
中国の新規顧客を獲得できる
一つ目のメリットは、中国における新規顧客の獲得を促進できる点です。中国への進出ハードルは年々低くなりつつあり、適切な手順を踏めば進出する事そのものは容易に行える時代となりました。
しかし現地に進出できたからと言って、必ずしも売り上げを確実に伸ばしたり、ブランド認知を高められるとは限りません。中国は世界で注目される市場となっているため、日本企業の競合はもちろん、世界中から企業が集結しています。
そのため、ただ進出するだけでシェアを得る事は難しく、自社ならではの差別化や、独自のアピール方法を探っていく必要があります。
リスティング広告はその点において有効で、自社の強みとなるキーワードを上手く導き、確度の高いユーザーへアプローチできれば、高い集客効果を発揮できます。
中国でブランド認知を高められる
リスティング広告は自社の商品や会社そのものをアピールする場としても機能します。
広告の運用方法としては、オンラインショップの誘導や、コーポレートサイトへの誘導といった使い方が主流です。SEO対策に頼らずとも、最適化されたユーザーとのマッチングに貢献します。
中国の巨大なEC市場を活用できる
多くの企業が中国進出を実現している理由として大きいのは、やはり中国がもつ巨大市場にあります。特にEC市場のスケールは前代未聞のレベルに到達しており、世界2位のEC市場を持つアメリカの3倍近い数字に達しているとも言われます。
ここ10年で大きな経済発展とITの普及が進んだ事で、中国ではECでの消費活動が世界でもトップクラスに定着しています。一方の日本では、中国やそのほかの国ほどEC化が進んでいないだけでなく、消費そのものの意欲も減退傾向にあります。
中国への進出は、そんな高い消費意欲と巨大市場を有効活用する上で、魅力的な試作というわけです。
日本と中国で異なるリスティング広告事情
リスティング広告は中国での活躍はもちろん、日本でも馴染みのある施策の一つです。ただ、日本と中国ではその運用方法に大きな違いがあるため、予め気をつけておく必要があります。
ここでは、日本と中国でどのような運用方法の違いがあるのかについて、ご紹介します。
中国でGoogleは使えない
まず気をつけておきたいのは、中国ではGoogleのリスティング広告は利用ができないという点です。
Google広告は日本で最も有名で人気の高い広告プラットフォームの一つで、リスティング運用といえばまずはGoogle、と言えるほどの影響力を有しています。
しかし、中国においてはGoogle広告の利用は実質不可能となっています。というのも、中国においては中国当局が実施しているグレートファイアウォールの影響により、海外のWebサービスは軒並みアクセス不可となっているためです。
そのため、中国で利用できる検索エンジンやWebサービス、そしてWeb広告は、中国の企業が運営しているものに限って利用ができる仕組みです。
Google広告の運用経験がある場合でも、中国ではそのノウハウが通用しない部分もあるので、予めリサーチをしておきましょう。
ただし、経済特区である香港においてはGoogleの利用が可能なだけでなく、むしろこちらのシェアの方が現地のサービスより大きいということもあります。中国本土ではなく、香港をターゲットにしたい場合は、この違いを覚えておくと良いでしょう。
中国語での運用が不可欠
二つ目の注意点は、中国語での運用が不可欠である点です。当たり前ですが、中国における公用語は中国語であるため、日本語の広告は現地に合わせた翻訳が必要です。
この作業を機械翻訳のようなツールで簡便にすませてしまうと、意味は通るが広告としては不適、という事態が発生してしまいます。
日本でも明らかな機械翻訳で訳された海外の広告を見かける事はありますが、ああ言った広告の文言が消費者に刺さるかと言えば、怪しいものがあります。
そのため、中国向けのリスティングを展開する際には、中国語を扱える翻訳家や、現地のネイティブ人材を起用し、適切な文言でアプローチできる必要があるでしょう。
基本的な運用ノウハウは日本と同じ
中国ではプラットフォームの違いや言語の違いなど、様々なハードルが存在しますが、一方で日本との共通点もあります。
例えば、広告の運用単価についてです。広告費用はGoogle同様のクリック単価となっているためコストが日本以上にかかってしまった、というケースにはなり得ません。
もちろん、広告運用に伴うローカライズ作業などで広告作成そのもののコストが増える点は否めません。しかしそれでもサービスの利用負担があからさまに増大する事はないため、安心して利用ができます。
中国のリスティング広告に欠かせないBaidu(百度)の特徴
そんな中国でのリスティング運用において、最も重要な位置づけにあるのが、Baiduの広告サービスです。
Baiduのリスティング広告がどのような強みを発揮するのかについて、ご紹介します。
中国において絶大なシェアとユーザー数を誇る
Baiduの最大の魅力と言えるのが、莫大なユーザー数を誇るという点です。中国においてはおよそ9割ものシェアを誇っており、「中国のGoogle」と言えるほどの影響力を有しています。
また、そのユーザー数は6億人を超えており、中国におけるインターネット利用において、欠かせないサービスとなっていることがわかります。
Baidu向けにリスティング広告を実施することで、このような莫大な人の流れの中に情報発信を行えるため、その影響力のポテンシャルは非常に高いと言えるでしょう。
現地ではGoogleが使えないとは言え、それに劣らない影響力を持ったサービスが存在するため、高い信頼性を有しています。
豊富な種類の広告が運用可能
Baiduでは、リスティング広告だけでなく、インフィード広告などを含めた様々な種類のWeb広告が利用できます。リスティング広告だけではリーチできない潜在顧客に対しても、これらのツールを併用することで、同じプラットフォームから情報を届けられます。
広告に合わせてツールを使い分ける必要がないというのも、Baiduを利用するメリットです。
Baiduリスティング広告の活用ポイント
最後に、Baiduでリスティング広告を実施するにあたり、覚えておきたい活用ポイントをご紹介します。
日本法人の直接運用ができない点に注意する
一つ目のポイントは、Baiduの広告出稿はGoogle広告のような直接出稿ではなく、代理店やBaiduの日本法人であるBaidu Japanを介して利用する必要がある点です。
そのため、Google広告のように思い立ったらすぐ出稿、ということが難しく、ある程度別の会社とコミュニケーションをとりながら対応しなければならない点には注意しましょう。
スピーディな広告出稿と中国進出を検討している場合には、早いうちから広告配信を支援していくれる企業とコミュニケーションをとっておくことが大切です。
クオリティスコアの向上に努める
中国での広告配信や検索エンジンにおける上位表示は、SEOではなくクオリティスコアという独自の指標によって決定されます。
サイトの表示速度やユーザーマッチングなど、Googleのそれと近しい指標ではあるものの、異なる基準によって評価されているため、丁寧な対策が必要です。
優れたローカライズ人材を確保する
中国向けのサイト制作や広告を作成する際、欠かせないのがローカライズ人材です。現地について卓越した知識を持つ人物や、ネイティブ人材を起用し、訴求力の確保に努めましょう。
おわりに
今回は、中国におけるリスティング広告の有用性や運用のポイント、そしてBaidu運用のポイントについてご紹介しました。
中国は日本と異なるネット環境を備える反面、ポテンシャルの高さは世界トップクラスとも言えます。
中国に最適化した広告施策で、他社との差別化を進めていきましょう。