Bingにリスティング広告を出稿するメリットとは?活用方法を解説
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世界的に圧倒的なシェアを誇る検索エンジンといえば、アメリカのGoogleが挙がります。世界シェアは9割を超えるともされる世界最大のWebサービスですが、実はGoogle以外の検索エンジンも地域によっては活躍しています。
そんなGoogleに次ぐ検索エンジンの一つが、Bingです。今回は、Bingで提供されているリスティング広告の影響力や、その活用方法をご紹介します。
Bingとは
Bing(ビング)はWindowsでお馴染みのマイクロソフトが独自に提供する検索エンジンで、Windows OSがインストールされたPCを利用している人であれば、一度は見たことがあるサービスかと思います。
主な機能はキーワード検索ですが、Bingで使用されているアルゴリズムはGoogleやYahoo! Japanなどとは異なる仕様となっており、検索結果には大きな違いが現れることもあります。
ユーザーインターフェースなどではGoogleとの共通点も多いBingですが、中身については異なる存在であると考えておきましょう。
使い方については概ね他の検索エンジンと同じであるため、使用方法に悩まされることはなく、誰でも気軽に検索を行えるのが特徴です。
Bingのシェアについて
世の中の検索エンジンシェアについてGoogleが圧倒的な一方で、実はBingも密かに人気のサービスであることはあまり知られていません。
世界シェアはわずか2.7%に止まっていますが、これについては地域差もあるため、場合によっては高いシェアを誇る地域も挙げられます。
例えばマイクロソフトの本拠地であるアメリカでは、2020年に6.6%のマーケットシェアを獲得しており、平均よりもはるかに高い数値を記録しています。台湾や香港など、アジア地域においても利用機会は少なくありません。
参考:BACKLINKO “Microsoft Bing Usage and Revenue Stats (New Data)”
https://backlinko.com/bing-users
また、マイクロソフトはBingの広告収入によって、7,700億ドルを超える収益を2020年に獲得しています。非常に多くの企業がBingの広告効果に注目しており、実際に効果が出ていることを裏付ける数字です。
マーケットシェアではGoogleに劣るものの、広告配信先として優秀なパフォーマンスを発揮しているプラットフォームであることは、注目に値します。
Bingが活用されている理由
このように、世界トップシェアのGoogleの活躍があるにもかかわらず、Bingが依然として安定した人気を誇るのはどんな理由にあるのでしょうか。ここで以下4つの理由を確認しておきましょう。
Windows系PCのデフォルトブラウザ
一つ目の理由は、BingがWindows OSを導入したPCにおけるデフォルトブラウザとして採用されているためです。
近年の検索ブラウザはFirefoxやGoogle Chromeなど、複数のサービスが利用されていますが、これはユーザーが意図的にダウンロードしなければ使えないものです。
それでは、WindowsのPCにはプリセットとして何が用意されているのかというと、Internet Exproler、通称IEです。IEにおけるデフォルトブラウザはBingであるため、必然的にBingユーザーは一定数存在するというわけです。
ある程度インターネットの利用機会が多い人でなければ、別のWebブラウザを利用しようとは思いません。PCやネットをあまり利用しない人は、IEのBingを利用する機会が増えてくるのです。
独自のSEOアルゴリズム
Bingは受動的なインターネットユーザーだけでなく、主体的にBingを使いたいという人にも人気のあるサービスです。BingはGoogleとは異なる、独自のアルゴリズムを検索結果に反映しており、Googleとは表示が異なります。
キーワードと関連のあるサイトやコンテンツかどうか、不快感のない記事かどうかなどの評価軸はGoogleと同じですが、そのプロセスは異なるため、Googleの評価外から検索結果を確認したい、という場合にはBingが有効です。
便利な画像検索機能
Bingにはキーワード検索のほかに、画像で検索ができるというサービスを有しています。これは、キーワードの代わりに好きな画像をアップロードすることで、それと関連性の高い検索結果を表示してくれるというものです。
高度な画像分析機能を気軽に利用できるため、情報収集の幅が広がる強みを持っています。
名前のわからない花や食べ物を、写真撮影によって調べたり、好みの動物の写真について、他のアングルからの写真を効率よく集めたいなどの使い方が可能です。
一部の他社検索エンジンに採用
Bingの検索アルゴリズムは、実はBing以外の検索エンジンにも用いられています。その代表格が、台湾向けのYahoo!である「Yahoo奇摩」です。
Yahoo!は各国で提供されているポータルサイトですが、使用されている検索エンジンは地域ごとに異なります。
Yahoo! JapanではGoogleの検索エンジンが利用されている一方、Yahoo奇摩ではBingが採用されているため、Yahoo奇摩ユーザー向けの広告配信には、Bingの広告サービスを利用しなければなりません。言い換えると、台湾のYahoo!ユーザーは事実上、Bingのユーザーということになるわけです。
Bingのリスティング広告について
ここで、Bingのリスティング広告の仕組みについても紹介しておきます。Bingは「Bing Ads」と呼ばれる広告サービスを展開しており、リスティング広告の利用もこのサービスを使って行える設計となっています。
Bing Adsとは
Bing AdsはBing向けに広告を配信する際に利用する配信サービスで、主な運用方法はGoogle広告と大差はありません。
キーワードを選び、予算を設定することで、好みの広告をBingユーザーの検索結果に配信できるサービスです。
料金設定はクリック単価となっており、クリック数に応じて課金が行われるという、コストパフォーマンスに優れる仕組みについてもGoogleと同様です。
Bing Adsへの出稿方法
Bing Adsへの出稿方法もGoogleと大きな違いはありません。専用のアカウントを作成し、掲載したい広告文を用意して、Bing Adsのサービスを利用します。
広告単価や広告の配信地域、言語、そしてターゲットとなるユーザー情報を入力し、広告の配信を進められます。
選択したキーワードの一致タイプは、いくつかの種類から選べます。キーワードと一言一句違わない完全一致タイプや、キーワードが単体で一致していれば広告を表示する部分一致など、ユーザーのボリュームに合わせた選択を行えます。
Bingのリスティング広告活用のポイント
最後に、Bingにおけるリスティング広告の活用ポイントについて、以下の3つをご紹介します。
Bingのシェアが高い地域(台湾や香港)で活用する
一つ目のポイントは、Bingのシェアが大きな地域において、Bing広告は有効という点です。
日本でもBingの利用は可能な一方、その利用者はそこまで多くはなく、素直にGoogle向けの広告を配信した方が良いというケースがほとんどです。
一方、アメリカや台湾など、Bingのシェアが大きい国や地域においては、Bingの広告配信が効果的です。もちろん、どんなユーザーがBingを利用しているのか、という理解や分析にも続く運用が必要であるため、事前にリサーチを深めておく必要があります。
あるいは、香港もBingの利用が比較的多い地域といえます。中国本土では利用できないBingですが、この地域では普及しているため、香港向けの広告配信を検討している場合には活用してみると良いでしょう。
また、Google広告の効果はいずれの地域においても絶大であるため、Google広告とBingを併用しながら、そのパフォーマンスを確認しましょう。両ユーザーにアプローチできるので、相乗効果も期待できます。
Yahooの広告サービスとの併用も効果的
BingはYahoo奇摩にも利用されていることからも分かる通り、Yahooユーザーとの相性が良いサービスでもあります。
そのため、ターゲットユーザーをYahooユーザーに絞り、Yahoo広告との併用によって、広告効果を高めていくことも悪くない使い方です。
Yahooのディスプレイ広告については、Yahooが独自に提供しているため、別途広告配信の手続きを実施する必要があります。しかし、Yahooユーザーに対しては効果的なアプローチが実現するので、一度試しておきたい施策です。
効果を確認しながら改善する
Bingのリスティング広告は、必ずしも既存の施策がベストであるとは限らないため、常に効果測定を実施することが大切です。
どんなキーワードに反応し、どんなターゲットに効果的なのかを常に分析しながら、広告の配信先やキーワードを改善していきましょう。
おわりに
BingはGoogleに比べると影の薄い検索エンジンですが、一定のユーザー数を常に有しているという、安定感のあるサービスです。
Bing独自の広告サービスであるBing Adsも利用者が多く、マーケットとして無視できない場であることがわかります。
日本からでも利用は可能なので、まずは小規模から試していくのが良いでしょう。