百度(Baidu)という検索エンジンを皆さんはご存知でしょうか。日本で検索エンジンといえば、GoogleやYahoo!が真っ先にイメージされるかと思います。

また日本に限らず、アメリカやヨーロッパなど世界中のほとんどの国でGoogleが利用されていて、シェアも圧倒的です。しかし中国では、パソコン・モバイルともに百度がトップシェアを誇っているのです。

そこで今回は、百度は一体どんなサービスなのか、そして百度で配信できるリスティング広告についても、活用ポイントなどをご紹介します。

百度とは

百度(Baidu)とは、百度公司という中国企業が運営する中国最大の検索エンジンです。

百度の概要

最初に、百度の概要についてもう少し詳しくご説明します。

まず、百度がどれだけ凄いのかというと、百度の月間ユーザー数は6億人以上存在し、1日に平均約100億回以上の検索がされています。

さらに、中国国内での検索エンジンマーケットシェアは何と約90%以上と、圧倒的トップシェアを誇っているのです。

ではどうして世界トップシェアのGoogleを差し置いて中国では百度が利用されているのでしょうか。その理由として、中国におけるインターネット検閲があります。

この検閲によって、中国では海外ネットワークに安易に接続することがまずできません。そして、世界的に利用されているGoogleやFacebookのようなサービスを中国では利用できないため、百度が広く展開されていると言えます。

百度は検索エンジンとしての機能以外にも、様々なコンテンツを利用することができるため、かなりユーザー満足度も高いサービスです。

参考：Baidu Japan「選ばれる理由　百度(バイドゥ)のインターネット広告」
https://www.baidu.jp/info/ad/reason.php

中国のデジタル事情

中国では非常にITが進んでいて、様々なインターネットサービスが普及されるにつれ、中国人ユーザーのインターネットリテラシーも高まっています。

中国インターネット情報センター(CNNIC)によると、2020年12月時点で中国のインターネット利用者数は9億8900万人、スマートフォンなどモバイルによるネット利用者数は9億8600万人でした。

インターネットの普及率は70.4%で、スマートフォンからインターネットに接続する利用者が多くなっています。
また、今回ご紹介する百度のような検索サービス以外にも、中国でトップシェアを誇るWeChatなど様々なSNSサービスも多くの中国人ユーザーによって利用されています。

百度広告とは

続いて、百度広告についてご紹介します。
百度でもGoogleやYahoo!と同じように、リスティング広告などを配信することができます。

百度広告の種類

百度には4種類の広告メニューがあり、用途に応じて種類を使い分けることができます。
次にそれぞれの広告の特徴についてご紹介します。

百度リスティング広告

一つ目に、リスティング広告です。

こちらはGoogle広告等でも馴染みがあるように、検索結果と連動した広告になっています。
ユーザーがキーワードを検索して、それに連動した広告が表示されます。

百度リスティング広告は、ユーザーが広告をクリックした回数に応じて料金が発生する仕組みとなっているため、クリックされない限り課金はされません。

百度アドネットワーク広告

二つ目に、百度アドネットワーク広告です。

こちらはPCやモバイル端末など、百度の様々なWEBメディアにバナーやテキスト文を配信する広告です。

年齢や性別、興味などユーザー属性でのターゲティングが可能であり、FacebookのようなSNS広告に似たものとなっています。

緻密なターゲティングによって、幅広いリーチが可能なだけでなく効果的にマーケティングを行うことができます。

百度インフィード広告

三つ目は、百度インフィード広告です。

こちらは3つの百度公式アプリにて配信が可能な広告です。

アプリ内のフィード欄に広告が掲載されるため、他の投稿と混ざってユーザーには広告感のない形で訴求することができます。

またリスティング広告とは異なり、インフィード広告は潜在・見込みユーザーへのアプローチに効果的だと言えます。

配信先のアプリは中国国内で利用ユーザー数が非常に多いアプリであるため、広告のインプレッション回数を増やし認知拡大を目指す場合にも活用されます。

さらに、インフィード広告でもターゲティングが可能なため、ターゲットを選んでアプローチすることもできます。

百度ブランドリンク広告

四つ目は、百度ブランドリンク広告です。こちらはユーザーが自社の企業名やブランド名を検索した場合、検索結果画面のファーストビューを期間保証するという広告です。

ブランドリンク広告は検索結果画面内にテキストだけでなく画像や動画の表示も可能であるため、より効果的にブランド認知を広げることができ、主に大手企業によって活用されています。他の広告に比べて訴求力が高く、クリックも高い割合で行われます。

百度リスティング広告の強み

続いて、百度リスティング広告の強みについてご紹介します。

6億人のユーザーにアプローチ可能

まずは百度の持つ圧倒的なユーザー数です。中国市場は非常に大規模であるため、グローバルビジネスを展開する際にも無視できない存在となっています。

しかし、中国全体にアプローチするとなると中々難しいです。そこで、百度は月間アクティブユーザー数約6億人を抱えるサービスであり、ここでリスティング広告を配信することで集客や認知拡大につなげることができます。

クリック課金型で高いコストパフォーマンスを実現

次に、コストパフォーマンスに関してです。

通常雑誌やテレビCMなどマスメディアの広告は、1件広告を掲載・配信する場合、単価でコストが発生します。そのため、もしその広告があまり見られなかったり、集客や認知拡大に繋がらなかったりしても、料金はかかってしまいます。

しかし百度リスティング広告では、広告がユーザーによってクリックされる数に応じて料金が発生する仕組みとなっているため、コストパフォーマンスが高いと言えます。

短期間で効果を期待できる

次に、短期間で効果を期待できるという点です。まず百度に限ったことではありませんが、リスティング広告そのものが訴求力の高いマーケティング戦略として知られています。

これにはリスティング広告の仕組みが関わっており、検索結果に連動して広告が表示されるということは、検索ユーザーが自社の商品やブランドに興味を持つ可能性が高いと言えます。

不特定多数への広告キャンペーンよりも効率的であり、広告をクリックしたユーザーが続けてWEBサイトへの訪問や商品購入などのアクションを起こす可能性も高いため、短期間で成果が出やすい広告なのです。

百度広告の活用ポイント

最後に、百度広告の活用ポイントについてご紹介します。ぜひ下記のポイントや注意点をしっかり踏まえてから、広告出稿にチャレンジしていただきたいです。

検索習慣の違いに注意

中国向けにリスティング広告を展開する際に気をつけなければならないことの一つ目に、検索習慣の違いです。日本人はGoogleなどの検索エンジンを利用する場合、調べたい単語にスペースを加えながら検索します。

例えば、東京駅で人気のランチのお店を調べたい場合、「東京駅　ランチ　人気」のように検索します。一方で、中国は日本の検索習慣と少し異なり、単語ではなく正しく文章におこして検索する傾向にあります。

そのため、日本企業が百度を使ってリスティング広告を配信する際も、この検索習慣の違いを踏まえた上でキーワード設定を行うことが重要です。

広告の品質向上が必要

二つ目に、広告の品質向上が必要ということです。百度では広告主による入札単価ももちろん重要ですが、それ以外にもクオリティスコアという指標があります。

クオリティスコアとは、広告の品質を図る上での中国独自のものです。百度では入札単価に加え、広告の品質向上によって競合他社よりも上位の広告枠を獲得することができるメカニズムとなっています。

そのため、広告をより多くのユーザーにリーチするためにも、広告の品質向上は非常に重要です。

中国向けSNSを併用する

三つ目に、中国向けSNSを併用することです。

広告は認知度アップに効果的ではありますが、実際に企業WEBサイトへの誘導、商品やサービスの購入、インバウンド事業の強化を見据えていくには広告のみでは不十分なことが多いです。

そこで、SNSを通じて自社ブランドの特徴や魅力を分かりやすく伝えることのできる記事の配信や、フォロワーとの直接的なコミュニケーションを加えることで、目標に近づけることができます。

もちろんリスティング広告は多くのユーザーにアプローチすることができるため、知名度をあげるには最適ですが、それ以上の最終的な目標を達成するためにも、SNSの併用はおすすめです。

サイトを中国向けに設計する

四つ目に、ユーザーが広告をクリック後に遷移するWEBページを、中国向けに設計するという点です。海外のWEBサービスに関わるサイトのアクセスは、中国現地だと検閲の制限対象となる場合があります。

そのままにしておくと、サイトの表示速度が遅くなったり、表示されなかったりする場合もあるため、しっかりと作り込みましょう。

おわりに

今回の記事では、百度(Baidu)というサービスの概要や中国における百度の強み、そして活用のポイントなどについて具体的にご紹介しました。

百度は中国国内で圧倒的なユーザー数を保持しており、広告では高い訴求力だけでなく大規模で幅広いアプローチが可能となります。

中国進出をお考えの企業の方など、ぜひ百度のリスティング広告を積極的に活用してみましょう。