リスティング広告は世界的にポピュラーなインターネット広告の一つで、多くの企業が活用しています。

また日本国内に向けた広告配信はもちろん、リスティング広告はグローバルなツールであるため、海外に向けて発信することも可能です。

今回はアジアに向けてリスティング広告を実施するにあたり、アジア圏の国々で人気な検索エンジンの種類、期待できるメリット、具体的な運用ポイントなどについて詳しくご紹介します。

リスティング広告とは

リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果にユーザーが検索したキーワードが連動して掲載される広告です。

広告が出向される時点では費用は発生せず、ユーザーによってクリックされると課金される仕組みになっています。

日本でもGoogle広告やYahoo!の検索広告が代表的なリスティング広告として利用されています。

アジアで活躍する検索エンジン

国によって利用される検索エンジンも様々で、日本ではあまり聞き慣れない検索エンジンが、ある国では一般的であることもあります。

今回はアジアで活躍する検索エンジンとして、2つご紹介したいと思います。

Google

Googleはインターネット関連のサービスや製品を展開するアメリカの企業です。

日本国内でも多くのユーザーに利用される検索エンジンですが、世界的に見ても大変人気です。

デスクトップ・モバイル問わず世界的に圧倒的なシェア率を誇るGoogleですが、アジアの国々でも多くのユーザーに利用されています。

リスティング広告の海外運用を考える場合、まず最初に検討すべき検索エンジンの一つです。

Baidu

Baidu(百度)は中国国内でデスクトップ・モバイルともに圧倒的なシェア率を誇る、中国最大の検索エンジンです。

またこの検索サービスを基盤に、多様なサービスを展開しているインターネットサービス会社でもあります。

日本で馴染み深いYahoo!のように、Baiduではニュースや地図などメディア、旅行などコマース、そしてモバイル決済など様々なサービスを提供しています。

中国の検索市場では高いシェア率を維持しているため、中国市場への参入をお考えの企業はBaiduの活用も検討するのが良いでしょう。

アジアでリスティング広告を実施するメリット

続いて、アジア圏向けにリスティング広告を実施するメリットについて、いくつかご紹介します。

大きなアジア市場にアプローチできる

アジアと聞くと、中国を筆頭に経済成長が活発な国をいくつか思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

また、近年ではラオスなど経済やITの分野で著しい成長を遂げる国が多くあります。

このようにアジア市場は年々規模が大きくなっており、リスティング広告を運用することで拡大するアジア市場にアプローチが可能です。

アジア圏でのブランド認知を高められる

リスティング広告は主に「検索連動型広告」と「ディスプレイ広告」の2種類があります。

「検索連動型広告」では、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告で、顕在層と呼ばれる今すぐ購入に繋がりやすい層の獲得を目的として活用されます。

対して、ディスプレイ広告は配信量を増やし潜在層へのアプローチがメインとなります。

そのため、認知拡大に非常に結びつきやすい手法であると言えます。

このように、リスティング広告は配信方法によって、顕在層・潜在層のどちらにもアプローチが可能であり、ターゲット国ユーザーの自社ブランド認知も高めていくことができます。

さらに、アジア圏の国々はインターネット普及率・利用率ともに高い傾向にあるため、よりリスティング広告が効果的に活用されると考えられます。

簡単に海外進出のきっかけを得られる

リスティング広告は、他の広告運用と比べ簡単に、海外のインターネットユーザーにアプローチすることができます。

例えばGoogle広告を利用する場合、Googleが提供するGoogle AdWords を利用すれば、日本にいながら簡単に世界中のGoogle検索エンジンで広告運用が可能となります。

広告配信に必要なアカウントは、どの国をターゲットにするとしても日本国内から開設可能であり、管理設定や専門サポートも日本語対応となっています。

あとは配信先国をターゲットに合わせて設定するだけで、簡単に海外進出のきっかけが得られるのです。

アジア圏のリスティング広告活用のポイント

続いて、アジア圏のリスティング広告活用のポイントを解説します。

丁寧なローカライズ環境を整備する

一つ目のポイントは、丁寧なローカライズ環境を整備するという点です。

例えば検索エンジンは、世界的に見るとGoogleが主流ですが、中国ではBaiduがデスクトップ・モバイルともに圧倒的なシェア率を誇っているように、国によって異なります。

その中には日本ではあまり馴染みのない検索エンジンもあるでしょう。

そのためまずは、自社がターゲットにしたい国・地域で利用されている検索エンジンがどれか必ず確認しましょう。

どれだけ広告のクリエイティブや訴求が素晴らしいものであっても、検索エンジンがターゲット国にあまり使われないものだと効果が下がってしまいます。

そして次に、ターゲット国のユーザーの検索の仕方を知ることも大切です。

実は検索習慣は国によって全く異なることがあります。

例えば、日本語ではスペースを加えながらいくつかの単語を組み合わせて検索するところを、英語ではワードではなくフレーズで検索されることが多いです。

アジア圏だと日本・中国・韓国の3カ国でも、かなり検索習慣の違いが見られます。

リスティング広告はキーワードごとに広告を出稿する仕組みになっているため、検索習慣を知らないままキーワードを選定すると、気づいたら全く検索されないキーワードを選んでしまっていた、なんてこともあるでしょう。

また、広告に使う文章にも気をつけなければなりません。

ターゲットの言語に翻訳することが必要ですが、間違った翻訳は商材の信頼を下げる原因にもなりますし、あまり検索されないキーワードを選んでしまうと広告の効果が弱まってしまいます。

このようなことから、効果的に配信するためにも、丁寧なローカライズは非常に重要なのです。

現地の最新トレンドを常に把握する

二つ目のポイントは、現地の最新トレンドを常に把握するという点です。

現在、様々な企業が検索エンジンを提供し、さらにはソーシャルメディアもユーザーにとって検索の場となっています。

そのため、例えばターゲット国に効果的に広告配信をするために、リスティング広告を活用するのがベストなのか、という視点も大事になってきます。

さらには、現地の人に刺さる言い回しやデザイン、セールスポイントを考慮することも大切です。

広告を運用して効果を出すためには、常に現地の最新トレンドを把握し、広告の配信方法やクリエイティブに生かす必要があります。

スモールスタートを心がける

三つ目のポイントは、スモールスタートを心がけるという点です。

リスティング広告の魅力は、キーワード単位で配信できることです。

しかしキーワードをいくつも設定したとしても、上手くいかない場合はあります。

そのため、初めてリスティング広告を配信する場合は、確度の高いと考えられるキーワードに絞って広告入札に参加すると良いでしょう。

そして配信後の効果を検証しながら、徐々に拡大していくことをおすすめします。

また、日本でリスティング広告の運用が上手くいっている場合であっても、ターゲットとする海外で成功するとは限りません。

なので、スモールスタートを心がけることは非常に大切です。

アジアでのリスティング広告の運用手順

最後に、アジアでのリスティング広告の運用手順をご紹介します。

ターゲット地域を確定する

まずは、ターゲットにする地域の選定についてです。

例えば、「東南アジア」というのは一口に言っても多くの国がありニーズも様々なため、ターゲットとしては少し広すぎます。

そのため配信してニーズがある国や地域はどこか、見極める必要があります。

具体的には、自社の外国語ウェブサイトのアクセスデータから訪問者の属性などを確認したり、海外部門の営業担当や海外顧客と接点を持つ人にヒアリングしたりという方法があります。

キーワードを選定する

次にキーワードの選定です。

自社の製品やサービスに興味を持ってくれる人はどんなキーワードを検索するか、という視点で選びます。

この時に、競合他社がどんな検索ワードで配信設定しているか調査するのも良いですね。

また前述したように、同じアジア圏の国でも検索習慣が異なるため、キーワード選定は慎重に行う必要があります。

効果測定と改善施策を実施する

広告配信を開始したら、頻繁にデータをチェックし効果測定をしましょう。

配信して終わりではなく、長期的な運用を実施し効果測定をしながら改善施策を行うことで、より効果的な広告運用を実現することができます。

ただし、データ分析専門の人材や環境の整備が必要となってきます。

おわりに

今回の記事では、アジア向けのリスティング広告に最適な手法や運用のポイントについてご紹介しました。

経済やITの分野で急成長を遂げるアジア諸国ですが、リスティング広告ならば比較的簡単にアプローチすることができます。

リスティング広告は他の広告に比べ設定もシンプルで扱いやすいため、ぜひ気軽にトライしてみてください。