百度(Baidu)リスティング広告とGoogle広告の違いとは?活用方法をご紹介
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インターネットは世界中で利用されている技術ですが、具体的なサービスについては地域性が強く、どれだけ有名なサービスであっても、世界各国で利用されているとは限りません。
その際たる例がGoogle、及びGoogleが提供する広告サービスで、世界トップシェアを誇っていても、カバーできていない地域があります。
中国は巨大なマーケットを有する世界第2位の経済大国ですが、実はGoogleの手が及ばない、独自のインターネット文化を構築してきました。
今回は、そんな中国で活躍する百度(Baidu)のリスティング広告と、Google広告の違いについて、いくつかのポイントをご紹介します。
百度広告とは
百度広告は中国でトップシェアを誇る検索エンジン、「百度」が提供している広告サービスで、ユーザーのキーワード検索結果に応じて広告を配信する、リスティング広告を提供しています。
百度は中国全体で6億人を超えるユーザーを有する一台検索エンジンで、そのシェア率は90%を超えるなど、「中国のGoogle」と読んでも差し支えがないほどの影響力を誇ります。
百度がこれだけのシェアを国内で発揮できている理由として、中国当局が展開しているグレートファイアウォールによるネット検閲が挙げられます。これは、Googleなどを含めた海外のWebサービスへのアクセスを制限するためのシステムで、中国からでは一般のルートでこれらのサービスを利用することはできません。
そのため、中国でのネット利用は中国発のサービスに限定されており、百度はそんな環境で頭角を現した検索エンジンというわけです。
アクセス制限があるとなると、悪影響を懸念する人も多いかと思いますが、結果的に百度は中国人しか利用しないサービスに特化したことで、中国人に最適化されたサービスとして、多くの中国人に喜ばれています。
そのため、そんなプラットフォームに配信される百度広告は、中国向けのアプローチとして優れた集客力を発揮できる可能性を秘めています。
Google広告とは
Google広告は、Googleでの広告配信に必要なサービスです。Googleを使ったリスティング広告の配信には不可欠で、今やリスティング広告媒体の代名詞とも呼ばれるサービスです。
日本でリスティング広告を検討する場合、Google広告の利用が第一に検討されるでしょう。多くの企業がGoogle広告を利用しており、実際に高い集客効果を生み出しているということで、ユーザー数は増加傾向にあります。
2020年にはGoogleがGoogle広告を通じて得た収益が1460億ドル、日本円にして15兆円を超える額にのぼったというデータもあり、リスティング広告に対する注目度と、その実用性を裏付ける結果といえます。
参考:statista “Advertising revenue of Google from 2001 to 2020”
https://www.statista.com/statistics/266249/advertising-revenue-of-google/
百度リスティング広告とGoogle広告の違い
次に、百度のリスティング広告とGoogle広告の違いについて、主なポイントを3つ見ていきます。
進出地域の違い
一つ目は、進出地域の違いです。先ほども少し触れましたが、百度広告は主に中国市場をターゲットとしてリスティング広告を展開しており、中国向けのマーケティングに欠かせないツールとなっています。
日本からの利用は日本法人であるBaidu Japanを通じて行うことができるため、以前よりも利用難易度は格段に低下しています。
一方のGoogleですが、こちらは中国を除いたほぼ全域に対して、広告配信を実施できます。インターネット環境があり、ネット検閲が敷かれていない地域であれば、Googleを使ったリスティング広告が有効です。
Googleは世界の検索エンジンシェアにおいて90%を超える割合を占めており、その影響力は圧倒的です。各地の検索エンジンの利用率を確認しながら、Google広告の利用を進めるのがベターです。
一方、中国においてはGoogleの利用が制限されているため、運用には注意が必要です。例外的に、香港ではGoogleの利用、及びリスティング広告の配信が可能なので、香港向けの広告運用は可能です。
発信方法の違い
百度広告とGoogle広告では扱っている広告の種類にも違いがあります。まずGoogle広告ですが、こちらはリスティング広告の他に、ディスプレイ広告や動画広告、Googleアプリキャンペーンと呼ばれるものがあります。
Googleは世界中に提携サイトやサービス、アプリを有しているため、豊富な広告配信さきを選べます。国内外に広告を配信する際には、まず利用を検討したいサービスです。
百度広告においては、アドネットワーク広告、インフィード広告、ブランドリンク広告という、独自のサービスを利用できます。
アドネットワーク広告は、百度傘下にあるWebサイトやモバイルアプリ、動画プラットフォームに対して、広告を配信できる仕組みです。リスティング広告同様、Baidu Japan経由で広告を配信できるため、利便性に優れます。
インフィード広告は、百度系列のアプリにおけるタイムラインやフィードに広告を配信するものです。年齢、性別、興味、地域などのターゲティングを活用でき、潜在ユーザーの発掘に繋がります。
百度ブランドリンク広告は、クライアントの企業名、ブランド名などを検索したユーザーの検索結果画面を、その企業情報で占有できる広告です。自社に興味を持っているユーザーを、確実に囲い込めるのが強みです。
中国におけるWeb広告運用の選択肢は制限されていますが、百度広告を利用することで、幅広い広告手段を選ぶことが可能です。
「フレーズ検索」の違い
百度広告はとGoogle広告は、検索方法においても相違点が見られます。
まずGoogle広告についてですが、こちらは日本や英語圏の場合、「丸の内 ディナー」などのキーワードを単体で検索する、単語重視の検索が一般的です。
一方の百度広告ですが、中国では検索を行う際、キーワードではなく一文のフレーズで検索を行うことが一般的なため、こちらにフォーカスを置いた機能になっています。
例えば「丸の内にあるディナーが食べられるレストラン」といったように、単語からニーズを連想するのではなく、フレーズを丸ごと入力し、ユーザーニーズを把握する仕組みというわけです。
そのため、広告配信の際にはこういった検索アプローチの違いに配慮した、専門的なノウハウが求められます。
百度リスティング広告の強み
百度のリスティング広告は、ほかにも運用上のメリットを有しています。ここでは以下の3つをご紹介します。
優れたコストパフォーマンスを発揮
一つ目のメリットが、コストパフォーマンスです。百度のリスティング広告はクリック課金性を採用しており、配信の際に一定額の広告料が徴収されることはありません。
広告がクリックされた額に応じて、広告料金は変動するため、広告を見られるまでは課金されないという強みを持っています。
複数の広告手法と併用ができる
百度はリスティング広告以外にも、上記で紹介したような広告サービスを複数有しています。
リスティング広告だけに拘らず、複数の広告手法を併用することで、よりターゲットに対して訴求力を高め、アピールが実現します。
必要に応じてこれらを使い分けることで、短期間で効率的な集客を期待できます。
競合との差別化に活躍
リスティング広告は、競合との差別化にも有効です。日本の商品やサービスは中国において人気の高いコンテンツですが、すでに多くの企業が進出しているため、中国進出を果たしたからといって、確実に売り上げが期待できるとは限りません。
リスティング広告によって、自社の強みを生かせるユーザーに向けてアピールすることで、競合との違いを生かしたシェアの獲得につながります。
百度リスティング広告の活用方法
最後に、百度のリスティング広告をうまく活用する方法について、以下の2つをご紹介します。
中国でのブランド認知度向上
一つ目は、中国におけるブランド認知向上にリスティングは役立つという点です。
中国では利用できるWebサービスが限られており、日本から発信できるチャンネルも限られるため、百度は現地ユーザーと接点を持つための貴重なツールです。
SEO対策も中国企業や現地ユーザーの記事が優先されるため、日本の時のようには上手く行かないものですが、リスティング広告であれば効果的な露出が行えます。
キーワードに連動して自社が表示されるため、不特定多数ではなく、潜在顧客へ効率よくアピールできるので、パフォーマンスも高いです。
集客やブランド認知を高める上で、百度広告は利用価値が高いといえます。
SNSとの併用で相乗効果を獲得
百度以外にも、WeChatやTikTokなど、様々なSNSと併用して企業をアピールすることで、相乗効果が見込めます。近年は検索エンジンではなく、SNS上で情報収集を完結させるユーザーも増えており、彼らへのアプローチも必要になっています。
SNSと百度広告を併用することで、潜在顧客へもれなくアピールが可能です。
おわりに
百度広告とGoogle広告は、配信地域の違いもさることながら、広告の種類や検索のされ方に至るまで、様々な相違点が見られます。
百度広告は中国進出において欠かせないツールとなっており、うまく利用すれば効率よく集客を進められます。中国での影響力を高めたい方は、ぜひ利用を検討してください。